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安彦さんの絵はやはり美しく存在感があり、また、本書ではアレクサンドロスの東方遠征図もあって遠征した都市名等も地理として歴史として学ぶことができるので、幅広い層の方に読んで頂きたいと思います。 ちなみに、安彦さんのヴィナス戦記(漫画)では、ガウガメラ等の都市名が出てきますが、昔からアレクサンドロスの遠征に興味を持たれていたのでしょうね。戦争漫画としては、ヴィナス戦記もお薦め致します。
筋金入りの革命家として十代の頃から辛酸をなめ続けたスターリンと、売れないアーティストとしてモラトリアムな青春を送ったヒトラー。 レーニン配下のボリシェヴィキの一員としてクーデターに暗躍したスターリンと、産業界の操り人形として政権を取らせてもらったヒトラー。 一世代の間に全く新しい現代国家を築き上げたスターリンと、それまでの数十世代にわたるドイツ文化の偉大な遺産を自分の代でほとんど使い果たしてしまったヒトラー。 軍事・政治・外交だけでなく、文化や芸術にまで注意深く目を配り、すべて自分で仕切り通したスターリンと、面倒くさい案件はすぐに側近に丸投げしてしまったヒトラー。 戦争においては大局の指導に専念し、細かい作戦は将軍たちにぜんぶ任せていたスターリンと、こまかい作戦にいちいちこだわって戦局を悪化させたヒトラー。 毛沢東や金日成などその後のほとんどの独裁者のお手本となり、その影響力は現在まで続いているスターリンと、ホロコーストと敗戦というマイナス要因によってのみ歴史に影響を与えたヒトラー。 そういうわけでヒトラーはただただマヌケな政治家だと思いますが、しかし、もし今後の歴史に登場するかもしれないのはヒトラー型の政治家だと思います(スターリン的人間、「悪の天才」的政治家は前近代的社会からしか生まれないように思うからです)。 よって、わけの分からない差別的な発言をする政治家がいたら、「あいつはマヌケだからしょうがない」と思ったりせず、早めに放逐することが大切ではないでしょうか。
誕生までをハプスブルク帝国の栄枯盛衰と重ねて描いた一冊。 今に残る、そう『美しく青きドナウ』や『こうもり』が誕生した理由や 時代背景などが述べられています。 一地方の舞踊曲だったワルツが時流に乗って中東欧からロシアやイギリスまで 広がる全欧を席巻したのは、やはりそれなりの理由があったのです。 (初期は貴族からの需要、中期からは新興富裕層から一般市民だ。また換言 すれば他の舞踊曲−ポルカやチャルダーシュ−が今のワルツの地位に至らな かったのかも分かります) 一読しておくと名曲を今以上に味わえると思う次第。次のコンサートに 備えておくのも一考ではないでしょうか。
生活史よりも、地理と歴史に重点を置く。 たとえば、上野界隈はどの時代にはどうだったかという変遷、寺社の縁起などを詳細に語る。 堅くなりがちな内容なのだが、随所に挟み込まれている川柳が江戸の息づかいを感じさせる。 さすがに言葉もたくさん知っている。 「祝融《しゅくゆう》の災」(p74)など辞書を引いて意味を調べなくてはならなかった。火事のことだそうだ。 「静かで平和で、生活程度は低いが身のおきどころもないほど退屈な日々であち?た。」(p335)
とは云へ、筆者の主張は明快である。設問、そして解答まで亞米利加の用意したシナリオを無批判に受け入れてしまつた日本國民の主體性の無さを歎き、一人一人が自立の精神をもつて日本近代史と向き合ふことを訴へる。
韓国における「親日派」という言葉は、連想しがちな「日本に親しみを感じている人たち」という意味ではまったく違うということ。 子どもの頃の韓国に対するイメージと、最近の韓流ドラマが流行りだしてからの、ソウル・オリンピックというよりはワールド・カップ以来のイメージがまったく異なるのはなぜかということ。 韓国ドラマの設定に孤児が多いこと。その背景。 ある国という意識や、その国民であるという意識は、どうやって成り立たせていくものなのか。 はたと思い当たったり、考えるに値することが多い。 私は近現代史にうとい。この本を読んで改めて思ったが、日本のことさえよく知らない。他国史から透けて見えてくる日本の姿をも受けとめていきたいものである。 ページ: | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | ... | 次のページ | 5/9 |